東京藝術大学「Sumi-Co」 × 地域活動支援センターはるえ野 
「ひかりをかさねる」〜詩と絵画展〜
監修:菅原敏

昨年より、精神やこころの健康に問題を抱えた方々と詩のワークショップを重ねてきました。本展示は東京藝術大学と江戸川区によるアートコモンズ「Sumi-Co」と地域活動支援センター「はるえ野」さんとご一緒に、2025年10月~11月にかけて実施した「詩」のワークショップを通して生まれた展覧会です。

今の自分にとって、最もやりがいを感じるプロジェクトのひとつでもあり、企画・監修と担当させていただく貴重な機会をいただきました。
今回、WS参加者の皆さんの書いた詩から(ひかり)を感じる語句を少しずついただいて、私も一編の詩を書き下ろしています。

https://sumi-co.geidai.ac.jp/archives/2596

「ひかりをかさねる」〜詩と絵画展〜
【会場】江戸川区松島2丁目16番20号江戸川区文化スポーツプラザ3F
【会期】2026年1月13日(火)〜2月25日(水)9時〜17時  会期中無休
【入場】無料

《ごあいさつ》
この度、東京藝術大学 Sumi-Coと地域活動支援センターはるえ野さんとご一緒に、本展示および一連の詩の企画を担当させていただきました詩人の菅原敏と申します。 グループで詩を作るワークショップ、自作の絵画に詩を寄せるワークショップ、そしてその成果としての本展「詩と絵画展」。展示終了後には一冊の詩画集を制作予定です。
それぞれに背景の異なる「はるえ野」利用者の皆さんと過ごし、ご一緒に表現を探っていく時間は、私にとって皆さんの(ひかり)を1ページづつ重ねていくような時間でした。筆をとり、手のひらからこぼれ落ちる詩の言葉と絵画の色彩。そこにはいつでも(ひかり)があり、それを綴じていったこの展示空間は大きな一冊の詩画集でもあります。
かつて古代ローマの詩人ホラティウスは「絵は黙せる詩、詩は語る絵」という言葉を残しました。また日本でも詩と絵画が共鳴することで生み出す理想の芸術表現を「詩画一致」という言葉に込めていました。 詩と絵画。そこにある共鳴とやわらかなひかりの重なりに、そっと心を重ねていただければ幸いです。

菅原敏









本企画のきっかけは、2024年12月、東京藝術大学のSumi-Coスタッフが江戸川区健康部保健予防課から「精神障害に対する理解を促し、偏見をなくしていく」という課題について相談されたことに始まります。精神やこころの病を抱えた方が利用する施設を見学したり、利用者の方々とお話をする機会を得て、自己の中にある想いの発露である「詩」をテーマに取り上げることを決定し、「地域活動支援センター はるえ野」(以下:はるえ野)においてワークショップを実施&その成果を展示する企画をおこなうことになりました。 ワークショップの講師をつとめたのは、詩人の菅原敏さん。1回目のワークショップでは、はるえ野のアートサークル、演劇サークルを中心としたメンバー個々が持ち寄った詩を切片化し、グループで再構成して1つの詩作をつくりました。2回目のワークショップでは、はるえ野で絵を描くメンバーに加えて東京藝術大学美術学部デザイン科の学部生5名も参加し、自作の絵画作品から発想して詩の創作を行いました。 自身の内面と向き合い、糸を編むように、個々の感性を拠り所にしながら丁寧に見出された言葉たちは、みなさまのこころに、きっと柔らかな光を差してくれることと思います。

また、展示に関連してに関連して、下記のイベントに登壇いたします。
私は主に今回の展示が生まれるきっかけとなったワークショップについてお話しする予定です。日本、イタリア、ミャンマーと、それぞれのフィールドでこころの健康と芸術活動に向き合う皆さんとのお話、楽しみです。よろしければぜひご覧下さい。